2020年11月12日更新
顔面けいれんは、片側顔面けいれんともいわれ、顔の半分が自分の意識とは関係なくけいれんするものです。一般的に目の周辺から症状が始まり、だんだん口元やあごの下の筋肉が同期してけいれんするようになります。
脳の深部で、顔面神経に血管が接触して圧迫することが原因とされており、過度な緊張やストレスなどで悪化します。
40~50代の女性が多く、病気自体は生命にかかわるものではないだけに、つい放置してしまう人が多い症状です。
原因がはっきりとわかっていますので、症状や患者さんの生活状況に応じた治療が可能です。
顔の半分が意思と関係なくけいれんする
目の周辺から始まり、だんだん口元へひろがっている
目元、口元のけいれんと同期する
緊張などのストレスで悪化する
当てはまる項目が多い方ほど、発症している可能性があります。
顔面神経への圧迫を取り除く手術です。
・全身麻酔をおこない、けいれんしている側の耳の後ろを7~8cm切開し、血管を剥離し神経の圧迫を取り除きます。手術の有効率は8~9割です。
・翌日には食事がとれ、7~10日後には退院できます。
・合併症として、聴力低下、脳髄漏などがあります。
当院では、術中モニタリングをおこない、神経を傷つけない安全な手術を心がけているので、合併症率は低くなっています。
ボツリヌス毒素が持つ、筋肉を麻痺させる性質を利用した治療法。顔の筋肉に注射することにより、顔の筋肉を麻痺させてけいれんを起こりにくくします。
・全身麻酔が難しい方、高齢者、外来治療で済ませたい方などに推奨。
・1回注射すれば、3か月ほどは症状が楽になる。
・根本治療ではないため、繰り返しおこなう必要がある。