2015年の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の考えは、われわれ公益財団法人操風会が1953年(昭和28)の設立以来、長い歴史の中で取り組んできた社会貢献活動と数多くの部分で共通しています。
公益財団法人操風会はSDGsの考えに共感し、経営理念と経営基本方針のもと社会貢献活動を継続・発展させ、SDGsの達成に貢献します。
地域医療支援病院は「かかりつけ医等を支援する能力を備えた病院」として、
①紹介患者に対する医療の提供
②医療機器の共同利用の実施
③救急医療の提供
④地域の医療従事者に対する研修の実施
など、地域における中核的拠点病院として地域に貢献する使命を果たしています。
脳・神経・運動器の疾患について、医療・介護・福祉・予防事業、医学の研究及び育英事業、地域社会への貢献及び文化事業を通じて、切れ目のない全人的医療・介護を提供するとともに、在宅医療及び在宅介護活動を展開し、併せて関連専門職の研究研修を支援する等の事業を、地域の各機関と連携し総合的に実施することにより公衆衛生の向上を図っています。
また、県南東部の医療を守るために救急医療を積極的に受け入れ、地域医療体制の向上を図っています。
「なかまちーず」は岡山市中区地域の住民が健康で、医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で最後まで暮らし続けられる地域づくりに寄与することを目的として2016年に発足しました。
岡山市中区の保健・医療・介護・福祉に関わる施設が連携を図り、専門職種による地域課題に関する意見交換会を実施。また住民と専門職の意見交換会や「なかまちーずフェスティバル」を通じて、健康・在宅医療・介護などの普及啓発に関する事業をおこなっており、当院も事務局としてその一翼を担っています。
当院では、医療の側面から、地域の自治会や住民の方々の健康増進活動を後押しすること、また地域に足を運んで、直接地域のご事情やご要望などを聞かせていただき地域の皆さんとともに住みやすい町づくりを目指すことを目的として「市民の皆様とともに学ぶ出前講座」を開催しています。
岡山市内4行政区と近隣の瀬戸内市、赤磐市、備前市などを中心に、毎年20地区以上、およそ1,000人の住民の皆様を対象に10年近く継続しています。
我が国は高齢社会を迎えるとともに、人口減少社会に入っており、岡山県においても同様の状況にあります。
すでに高齢化率が30%を越え、その高齢者の生活を支える若い世代も減り、十分な医療・保健・福祉が届いているとは言い難い状況です。
当院では微力ながら過疎地域へ医師を派遣し、医療支援をおこなっています。
患者家族・地域住民の健康増進と最新の医療情報の提供を目指して、健康教室を開催しています。
これまでに、脳に特化した愛脳会、生活習慣病予防教室、転倒予防健康教室、パーキンソン病健康教室などをで開催し、多くの方に参加いただいています。
2020年からは、動画配信も開始。自宅で何度でも視聴できる環境を整え、より多くの人に情報が届くよう取り組んでいます。
高齢者やハンディキャップのある方でも利用しやすく、院内の掲示やサインなどの色や文字の大きさ、形について、ユニバーサルデザインを意識して整備しています。
また、外国人患者さんが言語の壁を気にすることなくスムーズに治療を受けることができるよう、ホームページには外国人患者さん向けページを作成し、院内の主要箇所には英語、中国語のサインを設置しています。
医療従事者として、また組織人・社会人として求められる資質の向上を目指し全職員対象の研修を実施し、病院の目指すべき方向性を一人ひとりが考え、実現できる組織となるよう「人育て」を大切にしています。
また地域の医療支援のため、地域の医療者に職員図書室を開放し、患者家族などが医療情報を学べる場として患者図書室も設置しています。
さらに、医療の発展に向けた臨床研究への協力や学会発表を推進し、医療情報の普及にも取り組んでいます。
男女平等を実現し、すべての人が働きやすい環境を整え、昇進・キャリアアップの機会は性別に関係なく、すべての職員が平等に活躍できる環境を目指しています。
2010年よりくるみんマークを、2016年よりプラチナくるみんマークを取得し、男性の育休を推進しています。
国籍・人種に区別なく、世界の人々の健康、福祉及び経済の発展に貢献することを目指し、渡航受診者や外国人患者の視点に立ち、通訳者の活用や文化、習慣、宗教の違いを考慮した対応ができるよう努めています。また、技能実習生の受入れから技能の伝承を目指し、国際的な人づくりに貢献しています。
「誰一人取り残さない」社会を実現するために様々な個性を持った方の雇用を守り、一人ひとりの能力に合わせた業務を担当し、健常者の職員と共にやりがいをもって働いていただける環境を整備しています。
セクハラ、パワハラをはじめマタハラ・パタハラなど、人権を侵害するようなハラスメント防止に取り組んでいます。
相談する窓口を様々な形で設けて、声を上げやすいようにしています。
2000年より病院の食事を調理する際に出る野菜の切れ端や卵の殻を、大型の生ごみ処理機を使って有機肥料にリサイクルしています。この肥料は月2回希望する患者さんに無料配布しています。
また、院内の草花や野菜の植え付けの際にも使用しており、収穫した野菜は院内のカフェで調理して患者さんに提供しています。
少しずつですが、今あるものを活かし無駄にしないよう取り組んでいます。
電気使用量前年対比1%削減を目標に照明設備のLED化と空調設備の更新を順次おこなっていくとともに、職員に対して省エネの啓蒙活動などをおこなっています。
また、2022年度より化石燃料の使用が少ない電力会社にシフトしたことで、温室効果ガス排出量を37.3%削減することに成功しました。