OKAYAMA KYOKUTO HOSPITAL
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院長のひとりごと

岡山旭東病院のホームページに訪問くださりありがとうございます。

院長のひとりごとは、毎週月曜日に発信いたします。

病院における癒しの環境

2019年11月11日発刊 | NO.612

昭和50~60年代(1960~70年)までは、病院内は白い壁と消毒薬の臭いが一般的であった。私は昭和63年(1988年)に岡山旭東病院の院長として、病院経営を担当させて頂くにあたって、経営理念の中に「快適な、人間味のある温かい医療と療養環境を備えた病院」を掲げた。フローレンス・ナイチンゲール(1820-1910)の看護覚書の序章に「看護とは、新鮮な空気、暖かさ、陽光、静けさを適切に保ち、食事を適切に選択し管理すること~すなわち、患者の生命力の消耗を最小限にするようにすべてを整えることを意味すべきである~」と書かれている。それを具体化するために医療とアートの融合を求め、様々な活動を取り入れてきた。高柳和江先生の主催する癒しの環境研究会に入会して、アメリカやニュージーランドの病院見学に参加したとき、病院内に絵画を取り入れ、ガーデナーが草花や木々の世話をしていることに感銘し、少しでも快適な療養環境になるように努力してきた。病院建築は、UR設計事務所(辻野会長・宇垣社長)に依頼して、木目を生かした病棟、外来、待合、検査機器の設置部屋、多目的ホール(パッチアダムスホール)等を取り入れた。人に快適なものは、何でも導入しようと実践してきた。職員が患者様に対しておもてなしの気持ちで接することはもちろん、コンサートの開催(月に2回)、BGMの設定、健康の駅(道の駅の健康版)の設置、院内ギャラリー整備、絵画展示、生け花や庭園・温室の整備、熱帯魚やメダカの水槽の設置、院内カフェの開設や最上階の霊安室の整備など様々な工夫をしてきた。患者様や職員の評価からは一定の効果はあったと思っている。
急性期病院の役割には、手術や検査、薬物療法など治療が中心にあるが、療養環境を整えることも大切である。その中で最も癒しの環境に求められることは、患者様やその家族一人ひとりと互いに関わり合いの知恵を生み出していくことではないかと思う。私も新しい時代の課題に向かってチャレンジしていきたい。

参考
フロレンス・ナイチンゲール:イギリス人、近代看護教育の母。病院建築でも才能を発揮した。クリミア戦争での負傷兵たちへの献身的活躍は有名。国際看護師の日は彼女の誕生日である。「看護覚え書」は代表的著書である。

雑草

2019年11月6日発刊 | NO.611

2019年瀬戸内国際芸術祭の最終日(11月4日)に直島を訪れた。ベネッセ美術館の須田悦弘作の「雑草」の作品に出合って、驚きと感激を味わった。
木彫りの雑草が美術館の壁に生えている。コンクリートの壁の隙間から緑の雑草が目に留まる。歩いていても気が付かず、案内スタッフから作品の説明があって初めて、そこに草が生えているのに気づく。その隙間から生えている雑草の瑞々しい緑の草がその場の空間に生命を吹き込んでくれている。
考えてみれば、一つの細胞が38憶年前にこの地球上に生命を授かって、それらが魚に、爬虫類に、哺乳類に、類人猿に、ホモサピエンス(現代人類)になった。同時に、花や木々、雑草になったと考えると、道路やコンクリートの隙間に生育する雑草という草花も大宇宙が作ったアート作品だなと思う。
瀬戸内海の島々を舞台にした、自然とアート作品の共演は、人それぞれに新たな気づきを与えてくれる。海外からの多くの人々が訪れるのも頷ける。
豊島で出会った、ニューヨークから来た50代とおぼしき旅人は、「ニューヨークも東京もよく似ている。しかし、瀬戸内海の自然と日本の風景は違って、この現代アート展は素晴しく、快適な旅行を続けている」と話してくれた。
感性を研ぎ澄ますと、自然界の全ては、アートなのだと気づかされる。

鳩の巣立ち~命のリレー

2019年10月28日発刊 | NO.610

3年前から病院の中庭に鳩が巣作りに来ていた。巣を作っても台風が来て壊れたり、巣から卵が落ちたりしてなかなか孵化しなかった。今年も鳩が来るかなと外来のスタッフと一緒に期待していたところ、雌・雄のつがいが飛来して、中庭のしだれ桜の枝に巣作りを始めた。観察していると、しだれ桜の枝をくちばしで折って採取した小枝を材料に巣を作っていた。夫婦で巣作りが済むと、雌が卵を産んで約20日間、雌・雄交代で卵を温めていた。見事孵化した後も、小さな雛を夫婦で代わる代わる餌を与え、雨の日も風の日も雛を抱きかかえている。つがいでの子育ての姿はDNAのなさせる技であり、自然界でこのように生命(いのち)のリレーが行われていることに感動した。雛がかえって4日目(10月22日)で、親のくちばしから餌をもらっている愛らしい姿がみられた。
インターネットでは、巣作りの姿が配信され動画でも見ることができる。ただ、鳩は感染源になることもあり、多くの鳩の住家になると糞の処置など衛生面の問題もあるため、状況を見守っていきたいと思う。鳩に触ったりはしないで下さい。


参考
キジバト
食性は雑食で主に果実や種子を食べるが昆虫類、貝類、ミミズ等も食べる。
繁殖期はほぼ周年で、1回に2個の卵を産む。抱卵日数は15 - 16日。抱卵は夕方から朝までの夜間は雌、昼間は雄がおこなう。雛は孵化後、約15日で巣立つ。 一般的には番(つがい)で見られることが多いが、繁殖がうまくいかなかった場合は、1シーズンで番を解消するパターンも多い。

『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2019年10月28日 (月) 16:30 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org

人が生きる病院経営

2019年10月15日発刊 | NO.609

2025年は、戦後ベビーブームによる団塊の世代が75歳を迎え、日本がこれまで経験のしたことのない超高齢社会になると言われている。日本では、国民皆保険・介護保険によって、手厚い医療福祉制度が守られてきた。30年前の病院経営は、出来高払いで経済成長の時代のもと、診療報酬のアップがあり、護送船団方式で保護されていた。しかし、高齢社会を迎え、医療費の高騰を抑えながら医療の質を確保するために、厚労省は2003年からDPC制度を本格的に導入した。DPCは出来高払いではなく、包括医療費支払い制度で、成果報酬(アウトカム)によって支払いがきまる。それにより、病院の医療の質(専門職としてのテクニカルスキルの研鑽)と病院経営の質が問われるようになった。病院は一般企業と違って、固定費(人件費・設備投資・経費・減価償却費)の割合が大きい。医師、看護師、薬剤師、技師・療法士など20職種にも及ぶ国家資格を持った職員を多く抱えているが、医療の質の担保には欠かせない。しかしながら、急性期病院でも固定費の中で、人件費率が50%以上になると経営は厳しい。また、MR・CT・PETなど高額医療機器への設備投資が大きく、それを担保する医療収益がなければ経営はできない。病院の評価は、医療の質も経営の質も人材育成にかかっている。
21世紀の経営は「人を生かす経営」ではなく、「人が生きる経営」ではないかと思う。

ゴキブリも人間も38億年の生命誌

2019年10月7日発刊 | NO.608

「愚痴庵」発足1周年記念講演会で、中村桂子氏を迎えた講演「かけがえのない命~人間は生きものであり、自然の一部である~」を聞くことが出来た。

ビッグバンがおこり地球が生まれて、38億年前にたった一つの細胞から生まれ、人間と全ての生きものがそこから始まった。一つの生命がもつDNAの総体{ゲノム}から読み解く「生命誌」を提唱した生物学者の話で、現在の地球環境の激変に対処しなければならないと、人間を始め全ての生きものの将来に警告を発している。ゴキブリもハエも蚊もまた、38億年の生命誌を持っている。台所でゴキブリを見つけたら、共に38億年の生命誌をもった仲間として畏敬の念をもって、新聞紙で叩く、その心が大切と思った。

現在の地球環境は、過去の太陽エネルギーの産物である石油・石炭の大量消費による炭酸ガスの排出などによって、結果として温暖化が惹起されている。日本列島も亜熱帯化し、台風も大型化して集中豪雨など、生活環境は激変しつつある。世界中でも恐ろしい災害が続いている。

私たち人間は、自らの手で遺伝子の改変が可能となり、植物・動物を作り替えることができる手段を手にした。自然の摂理によって「生命誌」が成り立ってきた。その一線が突破されて人工的な「生命誌」の時代に入ったのではないかと思う。

人間もゴキブリも同じ、地球上の生きものであり、お互いに共生していく地球環境を1人ひとりの身の回りから行動して残していくことが、人間(大人)の責務である。



参考
①環境問題に対する国連本部での若者のスピーチ
*米ニューヨークの国連本部で9月23日開かれた気候行動サミットで、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が各国政府の気候変動に対するこれまでの取り組みを強い口調でとがめ、対策を加速させるよう促した。(ロイター)2019年9月24日公開
*2014年9月23日、ニューヨークの国連本部で開催された国連気候変動サミットの開会式。キャシー・ジュトネル=キジナーのスピーチ。マーシャル諸島出身の26才の詩人が、生後6ヵ月の娘のために書いた詩を披露しました。2016年10月6日 に公開
*セヴァン・カリス=スズキ(2003)『あなたが世界を変える日 12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ』学陽書房.

②大田堯,中村桂子(2018)『百歳の遺言』 藤原書店 .
③中村 桂子, 山崎 陽子, 堀 文子(2007)『いのち愛づる姫―ものみな一つの細胞から』 藤原書店.

幸福とは何か。

2019年10月1日発刊 | NO.607

自分が生きていることに満足しているとき。心が豊かで満たされているとき。人間関係が豊で生きがいを感じるとき。自分の夢が達成されたとき。試合で優勝できたとき。お金持ちになったとき。事業が成功したとき。目的の学校に進学できたとき。思っていた仕事に携わったとき。美味しい食事を食べたとき。家族の仲がいいとき。友人と語り合ったとき。オリンピックで金メタルを獲得したとき。世界選手権で優勝したとき。世界から核兵器が廃絶されたとき。地球環境が破壊されないように全人類が協力するとき。戦争やテロがなくなったとき。
幸福を感じることができるのは人間だけで、人間の心で感じるのではないかと思う。
心は何処にあるのか、脳の仕組みの中にある。それは宇宙の成り立ちの解明と同じくらい神秘で、多くの科学者にとっても解明の夢だと思う。
人間としてとっておきの第三の幸福がある。それは、おおきな目当てを持ち、自分の心に問いかけながら、その目あてに照らして分別し続ける生き方である。このような生き方をしている人の目は美しく輝いている。「大田堯」 幸福感は、その1人ひとり違い、時間と共にうつろい変わるものである。しかし、第三の幸福は、大きくその人の人生を彩ってくれるものと思う。

参考
中小企業家同友会全国協議『共に育つ』,p6-18

未来への挑戦

2019年9月24日発刊 | NO.606

医療福祉を取り巻く環境は、日々厳しさを増している。
医療技術の進歩、電子カルテから始まるICT、診断に対するAIの導入、高額医療機器などの開発、高額薬品の導入など経済的側面の解決をどうするのか。
高齢化に伴う疾病構造の激変(ガン患者・肺炎の増加、脳卒中・心疾患に伴う介護患者の激増)にどう対応していくのか。
更に超高齢社会の中で、認知症患者増加に対応した在宅介護ができるのか。逆走運転に対する予防的自動車免許返納などの取り組みをどうしていくのか。
認知症状があっても、地域で生きていける認知症フレンドリー社会を目指す運動が、厚生労働省から「オレンジチーム構想」として打ち出されているが、具体的にどのようにするのか。

私たちを取り巻く生活環境は、経済的にも政治的にも自然環境にとっても混沌としており、医療福祉の問題に留まらず、私たちに課された問題は多岐にわたる。
更に、世界各地域でおこる戦争・テロ活動など、平和を引き裂く過激な事件が絶えない。国家のリーダーが英知を集めて、自己中心的な考えを捨てて、世界平和を真剣に討議してくれることを願ってやまない。

私たちは、1人ひとり違っている。そして本来、自己中心的である。しかし、1人ひとりが関わっていないと生きてはいけない。
その関わり合いの知恵を学び、自ら変わっていくこと。その知恵を学ぶことが、私たち1人ひとりの課題でもある。それは国のレベルでも同じである。
私たち、1人ひとりが身近な事から、未来に向けて挑戦していくことが、「かすかな光であっても」課題を解決していく力になるものと思う。
何事も未来に向けて挑戦「Leap into the Future!!」。

ゴルフのご縁

2019年9月17日発刊 | NO.605

私がゴルフを始めたのは、脳神経外科の専門医試験をパスした年(1973年)に遡る。
当時は、『脳神経外科専門医試験を合格したらゴルフをしてもよい』との不文律があった。今は亡き松本圭蔵先生(徳島大学名誉教授 脳神経外科)が専門医試験合格のお祝いにと、岡山国際ゴルフ倶楽部に連れていって頂いたのが最初であった。
もともと私の父(健男)もゴルフが大好きで、桃の里のゴルフ場を父と兄弟で一緒に回ったこともあり、今も懐かしく思い出す。その後、35歳の時に香川県立中央病院に赴任して、前任者の上田伸先生から、付き合いもあるからゴルフも嗜んだ方がよいとの言葉で、病院の先生方と年に数回のゴルフを楽しんだ。
香川県立中央病院時代のゴルフは忙中閑ありでいい思い出となっている。1987年に岡山に帰って、岡山旭東病院の経営に携わるようになってからは時間もなく、ゴルフから離れ、100が切れないままに現在を迎えている。最近は、月に一度程誘ってくださる友人やご縁をいただく方々と一緒にラウンドしている。
最近、日本で3番目のプロゴルファーとして、有名な「宮本留吉」氏の回顧録を読んだ。小学生5年生でキャディーになり、やがてプロゴルファーとなって日本から初めて海外遠征し、球聖ボビー・ジョーンズとエキシビジョン・マッチで5ドルを賭けて破ったとある。
宮本氏は、「その試合を行った1932年3月23日は私の生涯における最も輝かしい思い出の日である」と書いている。日本でのゴルフも創成期で、戦争を挟んでの苦難の歴史があったことを知ることができた。ゴルフレッスンの神様ハービィー・ペニックのレッド・ブックの中に「日本人と言えば、昔、何人かでチームを組んでやってきたよ、トミー宮本はまだ生きているかな」とゆう一文があった。多くの先人のおかげで、プロゴルファーは社会的地位を確立し、多くのファンを楽しませてくれている。
宮本留吉氏のゴルフ一筋とはいかないが、下手は下手なりに楽しいゴルフをしたい。せめて100を切ってみたい。


参考
宮本留吉(1984)『ゴルフ一筋―宮本留吉回顧録』 ベースボール・マガジン社.

しぐさ

2019年9月9日発刊 | NO.604

「しぐさ」とは普段何気なくしている行動で、無意識のうちにその人の性格や人柄が、知らずしらずに写しだされるものである。
2002年9月1日に、パッチ・アダムスを岡山に招聘して講演会を開催した。パッチのメッセージは「愛情のこもった笑顔やユーモアで患者様や人に接すること、スピリチュアルな対応の大切さ」であった。それを記念して、「おかやまあかいはな道化教室」を、パッチの講演会のステージマネジャーを務めて下さった塚原茂幸氏(現在清泉女学院短期大学幼児教育科准教授)を案内人として、17年間にわたって道化教室を開催してくださった。数々のワークショップを通じて、笑顔とユーモア・コミュニケーションの大切さを学んできた。
塚原さんによると「人と人の関係性を円滑にするサプリのようなものです。ユーモアによって人生が劇的に変化することはありません。しかし、ユーモアが身近に存在することで、乗り越えられる困難もたくさんあるはずです。」これは、下記の参考図書からの引用である。歩き方や握手、挨拶などの仕草からもその人の人柄や性格までも感じることができる。心が変われば、自然と「仕草」も変わっていくと思う。私たちは他との関係性の中に生きている。学び、進化して生きていきたい。


参考
①塚原成幸『ユーモア コミュニケーション ハンドブック』中外印刷.
②DR.パッチ・アダムス:
パッチ・アダムス(Patch Adams, 1945年5月28日 - ) アメリカ合衆国の医師。
クラウンドクター。本名はハンター・キャンベル・アダムス(Hunter Campbell Adams)という。 ワシントンD.C.の生まれ。
トム・シャドヤック監督で、ロビン・ウィリアムズの主演による映画『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』の実在のモデルである。ホスピタルクラウン、クリニクラウン(臨床道化師)を始めた人。
現在も世界中でクラウニング活動の実践や、更なる普及に向けて講演活動をしている。日本にも講演会の為に何度か来日している。 「パッチ・アダムス」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2019年9月9日 (月) 14:51 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org

医師事務作業補助者とは何か

2019年9月2日発刊 | NO.603

病院で働く職種の中でも『医師事務作業補助者』を医療関係者以外の人で知っている人は少ない。医師、看護師、薬剤師、放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士、リハビリテーションに関わるPT・OT・STなどは、多くの人に知られるようになってきた。事務職も今やその役割は多岐にわたっているが、『事務を執っている人』程度の認識ではないかと思う。しかし、病院も一般企業と変わりなく、企業としての経営が非常に大切となり、護送船団方式から自己責任の時代に突入している。従ってノンテクニカルスキルを持った経営幹部が必要となってきている。
働き方改革も例外ではないが、医師については5年の猶予をおいて法制化される方向である。医師の仕事は外来診療、入院治療、手術だけでなく、患者家族へのインフォームドコンセント、診療記録・診断書・他院への紹介状・生命保険や賠償保険等の書類作成、医療の質向上へ向けたカンファレンスや研究、学会発表、論文作成等、診療だけの業務では済まない。日本の医療は、病院医師の長時間労働によって支えられてきたと言っても過言ではない。その、医師の業務の中で代行できる部分を「医師事務作業補助者」が代行し、医師の業務を軽減させ、患者さんが快適に診療を受ける環境を改善してきている。
2019年8月31日に日本医師事務作業補助研究会 第5回岡山地方会(当院近藤祐加が岡山支部長を務める)が、倉敷中央病院付属予防医療プラザで開催された。約120名の医師事務作業補助者が集って研修を受けた。講演は久保田巧氏(NPO法人日本医師事務作業補助研究会顧問)による「医師事務作業補助者をマネジメントする~その仕組みとは~」で、「業務範囲・書類作成・代行入力・教育・NCD」に分かれてのグループディスカッションが企画された。人材育成の内容も進化し、この数年間で、全国大会や各地の研究会などが全国で展開されている。
医師事務作業補助者の具体的な仕事の内容は、医師の外来診察では、患者さんの訴えや医師の指示などを電子カルテに代行して打ち込み、診療を円滑に進めている。他にも、医師の指示の下に、診断書やサマリー等の下書きや代行記載をする、病棟回診に同行して医師の評価をカルテ記載するなど、医師の働き方の改善に貢献している。同時に、医療が多職種連携によって成り立っていることから、多職種との連携にも医師事務作業補助者への期待は高まっている。名称については『臨床支援士』などが取りざたされている。NPO法人日本医師事務作業補助研究会(理事長矢口智子氏)の質を高めて、社会的認知を得られるよう、今後の活躍に期待したい。

図書館と本の楽しみ

2019年8月26日発刊 | NO.602

本を捨てるのが惜しいので、本棚に書籍がたまってくる。しかし、いずれ処分しなければならないときが来る。したがって、今のうちから整理して読んで頂けそうな小説、歴史書・偉人伝などは、病院の患者様ライブラリーに寄贈している。その他の多くの本や雑誌類はまとめて、リサイクル店で紙資源として提供している。
本を読むことで、自分のできないことや体験していないことを知ることができる。偉人の伝記を読んで生き方を学ぶことができ、子どものみならず、老人にも刺激となる。超高齢社会にあって老人であっても、本を読むことによって、脳の活性化を促し、認知機能の老化をいささかでも遅らせることができる。
岡山旭東病院の「患者様ライブラリー」は、多くの患者さんに喜んで頂いている。担当の司書が本の整理や展示に工夫を凝らしている。勿論、病院の学術図書も開設している。
また、読書好きの仲間が10人ほど集って、同じ課題の本を読書し、お茶を飲んで感想を述べあう読書会を定期的に開いている。このような読書会がお薦めである。読み手によって受け止め方も違い、未知の分野の学びを深めることができる。
岡山県立図書館は全国的にも個人貸出本数が日本一(2019年)であり、誇らしく思う。岡山県には、各市町村に図書館があり、また新しく建築する計画もある。高梁市の図書館は、JR高梁駅に併設され、図書館内にはスターバックスも営業しており、学生さんや家族連れが多く集い利用されている。このような形式の図書館も地域のニーズに合っている。
その地域に住む幸せの環境整備に、図書館が整っていることが条件の一つとの報告がある。図書館のあり方も、電子図書の導入など、AI時代を反映して、変わっていくものと思うが、今後も住民の幸せを願っての図書館は街の中心的な役割を担っていくものと思う。

思い邪(よこしま)なし

2019年8月19日発刊 | NO.601

北康利著による「思い邪なし 京セラ創業者 稲盛和夫伝」を読ませて頂いた。 稲盛和夫氏は1932年鹿児島市生まれ。1959年に京セラを創業し、1984年第二電電を設立、2010年に日本航空(JAL)の会長に就任、JALの再建を成し遂げた経営者である。

中小企業の経営者に経営塾(稲盛塾)の塾長として、経営哲学を伝えて若手経営士の育成に心血を注ぐ。また、1984年には私財を投じて、稲盛財団を設立し、国際賞「京都賞」を創設、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。

その経営哲学の柱は、「思い邪なし」だと思う。中小企業の経営でも、中小病院の経営でも、経営判断をするとき「思い邪なし」を実践できれば「天」が助けてくれる。山田方谷の「義を明らかにして、その利を図らず」と同じ方向ではないかと思う。

時代が変わっても、AI時代になっても、心の持ち方がいかに大切かを学ぶ事ができる。


参考文献
北 康利(2019)『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』 毎日新聞出版.

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